家賃相場は比較的安定している

住宅価格は大きな上昇と下降を見せてきた。6
大都市圏の住宅地の地価は、バブル期のピlクに
比べ半値以下になっている。では賃貸住宅の家賃
相場はどのように動いたのだろうか。
消費者物価指数を見ると、民間住宅の家賃の動
向が分かる[図215]。住宅地の地価はバブル経
済が崩壊した1991年をピ1クに急激に下落し
た。ところが、家賃はその後も1998年まで上
がり続けた。その後は下落に転じたのだが、20
10年までの下落幅はわずか3・5%だ。
このように不動産価格に比べ、家賃は非常に安
定した値動きをする。賃貸住宅に住んだことがあ
る人は分かるだろうが、家賃が上がるときには結構あっさりと上がるのだが、下げてもらうのは難しい交渉となる。
ただ、空き家率が上昇する中、家賃が下げ渋っているのは他の理由もある。たとえば、
フリlレントという入居当初数カ月間は家賃を取らないという期間を設ける代わりに家賃
は下げないという方法を取る大家がいる。また、礼金や敷金を払う慣習がある地域であれ
ば、家賃を下げる前に、この礼金や敷金を下げることが始まっている。たとえば、これま
で礼金を2カ月取っていたのなら、1カ月にしたり、ゼロにしたりするのである。家賃交
渉がうまくいかなくても、引っ越しもせず我慢せざるを得なかったのは、新たに住居を借
りるときに、礼金や敷金、手数料、引っ越し代を負担しなくてはならないからだ。こうし
た初期コストを考えると、高いと思う家賃でも引っ越さずに払い続けたほうがトクだとい
う判断になる。
ところが、礼金や敷金のハードルが下がれば話は変わる。たとえば、礼金も敷金もゼロ
の物件であれば、初期コストが大幅に抑えられる。そうすれば、少しでも家賃が安い家を
見つければ引っ越ししたほうがメリットが出てくる。
大家側から見ても、引っ越しをされると次の人に貸すために、室内のリフォームをしな
ければならなくなる。最近は、東京ルlルにより、クロスの経年変化や通常の使用状態による損耗や傷は大家側の負担で修繕しなくてはならなくなった。リフォーム代の負担を考
えると、ある程度の家賃交渉であれば応じたほうが安上がりだという判断をする大家が増
えてきた。
すでに郊外や地方では礼金や敷金をゼロにした物件が増えてきている。東京お区内でも
礼金や敷金の引き下げが広がっており、こうした動きがもっと広がるのであれば家賃相場
の下落は加速するかもしれない。それでも、地価の下落スピードのほうが速いと考えられ
る。

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