あなたはどうして家を買いたいのか

住宅購入の相談に来られる方は、多くの場合で冷静さを失っている。普段は高くてもせ
いぜい数十万円のものしか買わないのに、数千万円の買い物をするわけだから、ある意味
仕方のないことではある。しかし、数千万円の買い物で失敗してしまえば、一生を台無し
にしてしまう危険性もある。住宅の購入は人生の一大プロジェクト。冷静な頭で、購入計
画を進めていくことだ。
そのためには、まず自分はどうして家を買おうとしているのか、明確にしておきたい
[図114]。ただ、家が欲しいというだけであれば、単なる衝動買いのようなものだ。ど
うして賃貸ではいけないのか、家を買わないと達成できないのか、考えてみてほしい。
以前であれば、「家のグレードが高い」という理由で家を買う人が多かった。ところが、最近は分譲マンションや戸建て住宅を賃貸に出す人も増え、必ずしも賃貸M グレードが低いということではなくなってきている。「住環境」を挙げる人や「親の家の近く」のように、特定の地域にどうしても住みたいという要望もある。ただ、この住環境も住む地域に依存するものであり、別に賃貸だから住環境が悪くなるわけではない。むしろ、住みたい地域が決まっているのであれば、圧倒的に物件数が多い賃貸が有利だ。さらに質のいい賃貸物件が今
後も供給されていけば、グレード面でも、持ち家も賃貸も変わらなくなるだろう。
次に住宅購入の理由として多いのが「家賃を払い続けるのは損」「家を買えば資産にな
る」という金銭的な理由も多い。金銭的な理由に関しては、不動産売買の相場や、賃貸相
場にも左右され、時期によっても、物件ごとでも状況が違う。購入のほうが有利になり得
るし、賃貸のほうが有利にもなり得る。
家は金額も大きく、リスクの大きな買い物だ。だからこそ、「買ったら資産になる」と
いう理由を積極的に掲げ、本当に資産となるように努力してほしい。家を買うのが柿いの
は、給料が下がるからではなく、不動産価格が大幅に下がってしまうからだ。
バブル経済が崩壊するまでは、右肩上がりに不動産価格は上がっていた。あのころであ
れば、住宅ロlンを払えなくなったら、売ればよかった。不動産が値上がりしていれば、
売った代金で住宅ロlンを完済しても一財産が残るはずだ。
こんな世の中に、不動産価格が上がるというのは正直期待しにくいが、相場より安く買
うチャンスは転がっている。不動産は株式や債券などと違って、同じ地域にあっても、物
件ごとに状況は違う。だからこそ、不動産の価格は歪みが大きくなる。もしも、相場より割安に買うチャンスを手にすることができれば、買ったときよりも高く売る、値下がりし
にくい状況をつくることができる。割安に買うことができれば、格段に住宅購入のリスク
を軽減することができるのだ。

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